先ほどメールを見たら、2008年度の武満徹作曲賞ファイナリストの発表が送られてきていました。まあ、この知らせが来る前に直接コンタクトをとられなかったことからも分かるとおり、僕の曲は入選することもありませんでした。 気分的には、もうはっきり言ってほとんど何も感じなくなってしまいました。悔しいとも思わないし。なんでしょうね、どうせこれで最後だと思って、区切りのつもりで応募したものですから、中途半端に入賞だけしたりするよりもこういう形でさっぱり切られるほうがなんともイイ感じです。はい、この作曲賞を最後に、僕はもう二度とコンクールへは出展することはしません。 思い返してみれば僕が作曲賞で入選したのは先にも後にも一回だけ。オランダでのコンクールに入選しただけで、演奏家からも教授陣からも絶賛されましたが、結局賞を取ることはありませんでした。足かけ5年も大小様々な作曲賞に応募してきましたが、入賞1回、受賞0回、という結果になりました。 アメリカで、大学卒業の際に卒業論文として自分自身に課した課題として書いたのが今回出展した曲、"Orchestra Suite"でした。しかしまあ、もう完全にアカデミックと名の付く音楽に正面から中指をたてるような曲になっていて、しかもその中で僕の柔軟な音楽性を十分に発揮している作品だと僕は思っています。大学には最後にこの曲を提出しましたが、きっと僕が死ぬまでは少なくとも演奏されることはないでしょう。 あ~、そう考えてみたら、僕は曲は沢山書いてきましたが、一度も演奏されたことのない曲が山ほどあります。それも10や20で済まないくらい沢山あります。きっとこれからの音楽活動では、作る曲の中で演奏されることのない曲の割合は増えていくでしょう。それでも僕は曲を書き続けますし、少しでも形になったらそれを聴いてくれる人たちの元へ送ります。 実は、僕は当分作曲の依頼を受けないようにしようと思っているのです。誰かに依頼されて作るんじゃなくて、自分が作りたいと思った曲を作り、演奏して世間に発表していく、それで僕は十分ですし、とりあえず今は僕以外に二人、そんな僕の音楽に付き合ってくれる連中がいるので、そいつらとぼちぼちやっていきます。 認められることは、結局僕の音楽にはありませんでした。もう二度とコンクールには出展しませんので、もう今後僕の作品がクラッシック界に発表されることもなければ、その世界で認められることもありません。それで良かったのかなと、今日の発表を見て思いました。僕が曲を献呈する演奏家も、結構適当に軽く僕の曲を扱いますし、まあそうなるくらいならもう世間のために曲を書くことは止めようと、そう思うのです。 これからは自分のために音楽を作ることを中心に考えていこうと思っています。誰かの感性に同調する曲とか、分かりやすくてなじみやすい曲とか、なんかもうそういうことは疲れました。ですのでもうやめます。成功も栄光も見た目は金塊でも価値は泥屑程度しかありません。その価値を崇拝して、ちゃんと感じる人に作曲賞なんてものは与えられるべきで、僕にはまあ猫に小判ですね。 最近人生の色んなことが満たされてしまって、なんだかちょっと前に進むことにも、生きることにも疲れているのです。お金を稼いで、音楽をして、ご飯を食べて、なんか全く噛み合わないそういうファクター達をコントロールすることに疲れたのです。今は少し長く眠りたい。出来るなら、5年くらい眠っていたいです。もし5年眠ることが出来るなら、もうそのまま起きなくてもいいとも思います。とにかく、疲れた。色々なことに。
by Alfred_61
| 2008-12-05 23:45
| 日記
|
ファン申請 |
||