先日僕の書いた「打楽器組曲」という曲がここ、アメリカで初演されました。普段なら演奏会後に作曲家は同席した観客から囲まれるのですが、今回は打楽器の片付けなどもあり逃げるように会場を後にしたので十分な客の反応は知り得ませんでした。 でも、昨日になって友人から電話があり、とても良い曲だったと興奮して伝えられました。その友人も作曲を勉強している人で、彼にそういう言葉を言って貰ったのは非常に嬉しかったです。特に「昨日の曲が今のところお前の書いた曲で一番好きだな」と言われたのはかなりゾクゾクと来ました。 近代作曲をやっていると、一曲特別に良い曲を書いて後はその一曲からすべて繋がっていくというようなまるで演歌やポップミュージックの世界のようなことはあまりありません。それよりも常に良い物を書ける「金の卵を産む鶏」的能力が必要になるのです。あの作曲家が書くのだから次の曲もきっと良い曲に違いないと多くの人に思って貰うことが結果的に大きな成功に繋がります。 でも、それって考えてみれば相当難しいことです。例えば全身全霊で「これだ!」と思った曲を書けても、その数ヶ月後にはもっと「これだ!」と思える曲を書けなければいけないし、それを20年30年続けると考えると気が遠くなります。でも、気が遠くなるからといってじゃあ無理だと思うならばそういう人は音楽をしなければ良いと思います。これは演奏の分野でも同じだと思います。すばらしい演奏を一度したからといってそれに甘んじていては何にもなりません。常に最高の自分をさらに高めるように日々努力し、勉強し、そうやって人を感動させていくのだと思います。 取りあえず僕は今のところ間違った道を歩いてはいないようです。これをいつまで続けられるかは自分との勝負ですが、結局自分の選んだ道ですから死ぬまでやってやろうと思います。
by Alfred_61
| 2005-03-13 01:45
| 日記
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