"売れる曲"ってあるじゃないですか。でも、これってはっきり言って全く姿形のない虚像の概念ですよね。何をもってして"売れる曲"となるのでしょうか。そこに含まれるエレメント(要素)やバックグラウンド(背景)は一体何なのでしょう。いや、そもそも"売れる曲"という概念に"これがあればOK"という決まった方程式は存在しないのではないでしょうか。だってそんなものがあるなら、今頃音楽業界は潤い放題不況知らずの酒池肉林でしょうに。そうでないのには理由があるからですよね。 あんまり回りくどく言っても仕方がないのでポイントにいくと、その曲が"売れる"か売れないかを決めるのはごく限られた権力や資産を持った少人数の"ただの人"ですよね。つまり、"売れる曲"という概念を決めているのは人なのですよ。そして、それは"人ではあっても社会ではない"ということがここでのキーポイントとなります。少なくとも、"今までは"そうだったのです。 でも、時代は変わるもの。いつまでも一度成功した方法を何度も繰り返したところで、同じ成功は二度と得ることは出来ません。本当は、最初に成功したとき苦労したのと同じ分だけ不安や苦悩や努力を重ねてまた新しい成功を模索しなければいけないのです。今の時代は既に物事の評価をごく限られた少人数の有力者が決めるのではなく、Web2.0の普及によって社会一般の個人個人が決めていく土壌が出来上がっています。ブログやツイッターやBBSの評価は、今や表舞台にいる芸能人や政治家の立場を大きく左右するのです。ある意味、この状況はそれだけ俯瞰的に見れば民主主義の夜明けのようにも感じられるかもしれません。 しかし、僕たちのような芸術家の視点からすると、一体それで何が変わるのだろうとポカーンとしてしまうのですけどね。 少人数に評価されようが、大多数に評価されようが、こっちのやることは一つでしょう。それは単純に"良い音楽"を作る、ということだけです。そして、芸術家ならみんな分かっていることですが、評価っていうものは作るという行為がすべて終わってから下されるものなんですよね。言い換えると、作りながらそれが"良いか悪いか"なんてのは考えるだけバカなんですよ。Realtime Editingほど音楽という芸術に不必要なものはないですからねえ。 僕たちは創作が仕事です。評価は他人がすること。僕に出来るのは作り続けることだけ。
by Alfred_61
| 2010-03-16 23:32
| 日記
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