ひょんなことから僕のアドレスに通知メールが来たので、せっかくだと思いエントリーしてみた企画があるのですが、Toyota Music Rock The Space 2という日本の自動車会社Toyotaがスポンサーをしているアメリカでのみ開かれているウェブ上の公開オーディションがこれです。個人が自由にFlashでデモテープのデザインを選択し、グループで1曲だけ曲を公開することが出来るのです。企画期間中アクセス数の最も多かったグループには大手レコード会社との契約と成功への道が約束される、という話です。 僕がここにあげたのはジョンと二人で3年前にやったベースとドラムだけの曲"#18"です。そしてこの二人のグループをSOUND GATE ZEROと称して、こちらのリンクからデモテープを聴くことが出来ます。ご興味がある方、僕たちの音楽を気に入ってくれた方は是非何度でも聞いてやってください。 さて、今日何を書きたいかというと、こういうWeb2.0時代のオンラインプロモーションのあり方や今後の方向性などです。純粋に考えれば今回のこのToyotaの企画では、中身がどうであれ"アクセス数"というもので優劣が決まります。例え組織票で何百万アクセスも記録しているけれど実際に社会一般に売り出して売れるというわけではないグループでも、アクセス数さえ稼げばチャンスを得ることも出来るのです。 つまり言い換えれば、ここで言う"プロモーション"とは多数の一般的なリスナーを増やすことではなく、その音楽が良くても悪くても成功するために"アクセスする"という単純作業を延々と繰り返してくれる少数の組織を構成することなんですね。インターネット上の世論(決して実世界の世論とは違うことを明記しておきます)が評価する社会の事象やエンタテインメントなんて、やはり狭い組織構造の中で繰り広げられる一見広い世界なんですね。 正直なところ、僕は「クリックお願いします」とこういうところで書いてそこからアクセス数を稼ぐことにはあんまり良い気分はしません。本当なら、僕からアプローチしたからという理由ではなくて、社会から能動的にアプローチされて評価を受けるのが正しい姿だと僕は思います。こっちで組織票をまとめてしまうことはそのエンタテインメント自体を純粋に評価していることにはなりません。でも、実際これからのオンラインプロモーションなんてここに書いているような組織票作り的なものになっていくんでしょうね。匿名性の強いインターネット上の世論では誰が何をなぜ言っているのか分かりませんからね。 誰でも意見を言えるのがWeb2.0ですが、その代わり個人個人の意見が持つ意味合いというのはこれからどんどん薄れていくのではないかと僕は思います。金にものを言わせて組織票を確保してインターネット上で特定のものを賛美するコメントを増やし、そこから社会に興味を持たせて実利益をあげようとするのが社会の上層部が考えそうなことです。数人の権力者がそれをすることによって、個人個人の意見は最早組織票と区別がつかなくなり、結果として本当は大事な一意見なのに組織票扱いされて軽んじられる、それがこれからのオンラインプロモーションが進む道なんじゃないでしょうか。なんだかそんな感じのことを考えるんですけど。
by Alfred_61
| 2010-05-31 22:53
| 日記
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