先日、久しぶりに普段とは違う理由で書いていた曲を完成させました。題名はInner Garden、日本語で言えば内庭になります。完全に自分で音を集めてきたり、Synthesisを使って一番基本のSine Waveから作り上げた作品で、カテゴリーとしては電子音響学曲になります。 内庭とはある意味では個人の内にある誰にも入れない隔離された場所、もしくはいつも自分の中にあるけれど普段はそれを認識することは出来ず、きっと死が訪れたときにそれぞれが帰っていく永遠の楽園、そういう物だと僕は思います。 この曲は演奏会で聴いたりする為ではなく、それぞれが自分の家で一人で聴いて眠りに落ちるために書きました。演奏会では音楽で眠ってはいけないと暗黙の了解になっていますが、Inner Gardenは聴衆に眠って貰うために書きました。こういう曲では分析は意味を持たず、ただ何となくベッドの上で横になりながら聴いていると知らない間に眠っていたという、音楽の持つ特殊な効果の一つを僕なりに強調して表現しました。 個人的には最近人生に疲れすぎているのかと思います。目先の栄光や流行などを追う生活が僕にはとても辛く感じます。いつか僕の上に訪れる死を念頭に入れて生活していると、世間の価値はほとんど意味を失います。僕の内庭ではそれと同じ事が起こっていて、時計の針はゆっくり進むし、風も緩やかに吹き付け、水はゆっくり流れ、自分の呼吸もゆっくりになっていくのです。今自分が悩んでいることや、夢中になっていることから少し心を自由にして、限りなく自然にあるがままの自分へと回帰する事がこの曲の存在理由のすべてです。
by Alfred_61
| 2005-04-25 13:24
| 日記
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