昨日の夜、実は中之島のバラ園で2時間弱ヴァイオリンを弾きました。そこで、路上では初めてViolin Suite No.2の最初から14曲目までを通して演奏しました。まだまだ曲のそれぞれの見せ所や個性の違いが組曲として全体における構成にどう影響しているのか自分自身が把握しきれていない為に、9曲目辺りから結構苦労しました。 けれども、僕が自分の曲を弾き始める1時間ほど前から少し遠くのベンチに座ってずっと僕の演奏に身を乗り出して耳を傾けていた女性がいたのですが、その方は僕の曲を一通り聴くまで席を立ちませんでした。それが純粋に嬉しかったです。14曲通すだけで30分以上かかるのですが、自分自身もそんなに時間がかかっている感覚がなく、実際に何も知らない1リスナーは特にその長さは感じなかったようです。 この組曲、一応スケッチを終えている全体像としてはあと10曲あるのです。全部で24曲になる予定なんです。他の曲を書きながら合間にちょこちょこ書いているのもあってそんなに一気に出来上がっていくわけではありませんが、それなりに曲は日々進めています。14曲の段階で一回通して路上で演奏してみて、その上でそこから先の展開も考えてみようと思って今回一応表での初披露となりました。 しかしまあ、話は変わりますが演奏会という決まった形式とは違い、路上での演奏は本当に僕の性に合っています。聴きたい人は足を止めたり、バラ園には座るためのベンチが沢山ありますから飲み物でも買ってゆっくりベンチで聞くこともできます。忙しい人はほんの1曲だけ聴いて足早に通り過ぎていく人もいます。物珍しそうに子供にのぞき込まれることもあります。でも、何より僕が一番気に入っているのは、僕と聴衆を繋いでいるのが偶然そこに居合わせたという、ただそれだけだということです。僕が誰かなんて知っている人は一人もいませんし、僕も当然行き交う人々の一人として誰かなんて知りません。 お金を貰うなんてそんな偉そうなことは僕には出来ません。通りかかっただけのはずなのに1時間以上もベンチに座って僕の演奏を聴いてくれる人が毎回何人かいるのです。コンサートホールの指定席で1時間以上じっと演奏だけを聞いているのは結構大変です。ちなみにベートーヴェンの第9番交響曲は通すと約74分になります。僕は普段バラ園で120分くらい休みなく弾いています。 時の流れの中にあって、あの中之島公園のバラ園、あの場所や大阪という街、そしてそこにいる僕という人間のことを表現したViolin Suite No.2の前半14曲ですが、僕が譜面の上で考えていたとおりこの曲はあの場所あの空間に本当に良くなじみます。 明日は2時間というタイムリミットのある現場に仕事に行きます。まあ、たかが2時間で終わる仕事ですから、特に必要以上に気を遣うこともありません。今週中にもう一度晴れた日があれば、またバラ園にヴァイオリンを弾きに行きます。恐らく暗くなってからですが。
by Alfred_61
| 2011-06-07 23:55
| 日記
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