僕としては社会通念的にどう間違った用語の使い方やイメージが定着しようが知ったことではありませんが、とりあえず少なくともここのブログで書くそれぞれの用語を簡単に説明しておきます。 不協和音というのはつまり"協和音ではない和音"のことを意味します。結果として"気持ちの悪い和音"となることは確かに多いのですが、事実として"気持ちの良い音のする不協和音"というものは論理上存在します。それもかなり沢山。協和音とは、何でも良いのですが1つの音階(Cメジャーで言うところのドレミファソラシ)7音それぞれを根音とした音階上の3和音(ドミソ、レファラ、ミソシ、ファラド、ソシレ、ラドミ、シレファの7種類)を差し、これら以外の和音を不協和音と言います。 つまり、V/V(属和音の属和音)はCメジャーで言うとレ・ファ#・ラなので、ファ#を含んでいる以上これはれっきとした不協和音です。はい。これ、ドミソと同じ長三和音ですね。でも、不協和音です。この例をさらに使うと、不協和音とは協和音を導くための和音のことであり、決してただ人に不快感を与えるために書かれる和音のことではありません。ちなみに、僕は何の意味もない"気持ちの悪い和音"は単純に"雑音"と呼びます。ついでですが、協和音であるシレファですが、これは"気持ちの悪い和音"ですよね、誰が聞いても。不協和音であるレ・ファ#・ラは"気持ちの良い和音"ですよね。ま、そういうことです。 そしてこの協和音7つを元に構成される和声進行法則と終止形(カデンツ)のことを"機能和声"と言います。和音を"機能"させるという意味で言うと別に無調音楽でも出来るんですが、僕は協和音を元に作られる上記内容を"機能和声"と呼びます。つまり、トニック、サブドミナント、ドミナント、などという言葉でコードを呼び始めたらそれはもう機能和声です。まさにこの3つの言葉は"そういう"意味ですからね、英語では。 この"機能和声"の法則からはみ出した音楽はつまり"無調"音楽ですよね。"トニック"が存在しないならそれは調性が無いわけで、つまり"無調"です。でも、無調音楽イコール"気持ち悪い音楽"ではありません。これが良い例かどうかは知りませんが、例えばこんなものもれっきとした無調音楽です。ちなみに、僕の音楽はすべて無調です。僕は機能和声の曲は実は1度も書いたことがありません。それこそ練習としても書いたことはありません。大体は分かっていながら法則を僅かに外して自分の音楽にして授業の課題を提出し、講師にはそのズレを気づかせないとか、そんなのが僕は大好きで、いつもそんなことばかりしていました。 全く、帰国してから時差のせいで全然記事を書けていませんが、書きたいことは山ほどあるのです。曲の"長すぎる"とか"蛇足"とかいう話を次には具体例を出してしたいんですけどね。クラシックの曲には沢山「この曲ここで終わりでエエやん」という曲があるので。作曲家の考え方と絡めて次回はちょっとそんなことを書きます。
by Alfred_61
| 2012-02-12 23:55
| 音の考察
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