世界のどこか、とだけ言いましょうか。とある岩山を上った時に、その岩山の一番上にある大岩に誰かが杭で打ち付けた鉄の箱がありました。この中にはメモ帳のようなものが入っていて、そこにはこの岩山を今までに上ってきた人たちが一言ずつ、それぞれに思うことを書いていたのです。 ま~あ日本人がこの箱に出会うのは稀で、特に観光地化された所でもなかったですし、せっかくということで僕は日本語でとあるメッセージをこの箱の中にあるメモ帳に書きました。それを見て、実際に読める人があそこに今後何人行くことがあるだろうかと考えると、まあ普通に考えてそこから世界へ発信されたりすることはあり得ない話です。 いかにも僕の人生らしい出来事の一つです。僕のやること、やっていることは、自分の心を豊かにすることはあっても、自分を社会的に豊かにすることはないのです。社会的知名度や世間一般が持つ蜃気楼のような価値観を、僕は今まで意図的に避けて生きてきました。少なくとも、そうしなければ今自分が持っているオリジナリティを手に入れることは絶対に出来なかったからです。 僕は自分の子供が特に価値観に縛られない年頃であっても、心の中に世界を思い描けるような話をしてあげることが出来ます。僕の人生はそういうことばかりで、言い換えれば"一般人大勢"の前で演説として語っても何の価値もないことばかりでした。喝采を浴びることはありません。その人の心に"何か"を残すことは出来ます。その人から褒められることはありません。それが僕の人生であり、今の僕の音楽です。 12月に予定していたSOUND GATE ZEROのライヴですが、諸事情により年明け1月に持ち越す提案をジョンに話しています。一番の理由はジョンの航空券代だったりするんですけどね。 と、ジョンの話をしているとなんだかあの箱のことを思い出します。ジョンという人間はアメリカで一言生い立ちを言えばすべての人が振り向くようなヤツなのですが、彼と僕の間にはそんな社会的価値観は存在しません。僕がそういう人間だからきっと今も一緒に音楽をやっているのだと思いますし、彼のご両親も僕を受け入れてくれたのだと思います。あの箱の中に書いた僕のメッセージは、ジョンと僕との関係に直接関わっているようなことなのかもしれません。
by Alfred_61
| 2012-08-31 23:55
| 日記
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