とあるテキストファイルを自PC内で探していて、大学時代のペーパーや教授に宛てた手紙などのデータが出てきて興味本位で読み返していました。あの頃の自分がそこにはいました。あの頃は今僕がやっている音楽のことも、僕が今のような特殊な作曲家になったことも、全く想像できていなかったのが容易に伺えました。個人的には目の前のことに必死すぎてあまりあの頃の感覚は覚えていないのですけどね。 大学を卒業した頃は、音響技師として向こうでバイトをしていたのもあって、その方面の業界に入って生計を立てながら作曲活動を続け、実績を積んで要人に出会って流れに乗ろうと考えていたようです。でも、実際は僕の卒業年である2007年辺りから世界中の経済は中国を除いて下降の一途を辿り、リーマンショックなどもあって世界恐慌の再来と言われたりする時代になり、そこに更にテクノロジーの発達により音楽という芸術はビジネスとしてそもそも成り立たなくなっていったのです。 最近知り合った方が、音楽で大金を稼ぐ経験をすると音楽へ対する感覚が変わるから、そんな経験はない方が良い、と仰っていました。僕はそういう経験がないので、それが良いか悪いかは別として非常に純粋に音楽と向き合えていると思います。お金を稼ぐために"自分"という形を変えて生きていくのはどうしても僕には性に合わなかったのです。 僕という個性を必要としてくれる所は、今のところ日本にもアメリカにもありません。僕に"出来ること"は数多くありますが、出来るからといって必要とされるかどうかは又別の話です。自分が能力を発揮しても、それが原因で結果として組織と僕の間には摩擦が起き、僕は振り返ってみると一所に長い間いたことは人生であんまり無かったのです。社会との摩擦で何度も落ち込んでは負けるものかと頑張ってきましたが、環境に翻弄されながらも音楽に対する情熱や純粋な感覚を失わずにここまで来れたことはあの頃の僕には想像できなかったでしょうね。 去年から今年の前半はただただ走りすぎたのかもしれません。正直なところ、今現在の自分をあの頃の自分が見たら卒倒するでしょう。こんなに情けない音楽家になっているとは思いもしないでしょうから。今現在は構想や気持ちはあっても時間貧乏が拍車をかけていてとにかく集中して曲に向かえる時間がありません。今やらないと一生後悔する、というほどの状況なのですが、今日までまだ頭の中でぐるぐる考えているだけです。言い換えればあとは書き落とすだけなのですが。さて、明日辺りから睡眠時間を削っていこうかと考えています。せっかくアカデミアを出てここまで来たのだから、あの頃の自分に恥ずかしくないように頑張らないと。
by Alfred_61
| 2012-09-17 23:55
| 日記
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