見たことも聞いたこともないような街に住むって、とても不思議な感覚です。僕が現在住んでいるアメリカインディアナ州ブルーミントン市は、はっきり言って僕には実際に足を踏み入れるまで全く想像もつかない所でした。僕が通っている大学、インディアナ大学ブルーミントン校は僕が4年前に出願した3つのアメリカの大学中たった一つ受け入れを認めてくれた学校だったのです。 もうここしか選択肢はなかった訳です。そこが自分にとって住みよい環境であるかは、僕がそこへ行くという決定事項に影響するにはあまりにも弱すぎたのです。そして僕は3年前の夏、見たこともないアメリカ中西部の片田舎へやってくることになるのです。 僕は生まれも育ちも大阪で、1999年の一年間をアメリカウィスコンシン州で過ごした以外は大都会での生活しか知りませんでした。インディアナ州に来て、自分が当たり前と思っていたことのかなりが当たり前ではなく、実は都会生活の恵まれた状況に自分が甘んじていたことを気付かされます。ここでは車なしでははっきり言って生活不可能で、そしてこの国では自分から助けを求めなければ誰も助けてはくれないのです。 確かに最初の1年はかなり状況的にも崖っぷちで、ストレスだらけで押しつぶされそうでした。「こんな街今すぐにでも出て行きたい」とさえ思っていました。でもその一年諦めずに日々続けていた努力が学校に認められ、かなり良い条件で次の年から勉強をさせて貰うことになるのです。それから2年が経ちました。ここブルーミントン市で一人暮らしを初めて3年が経ったのです。今では学校を歩いているとほとんどが顔なじみで、自分がここの社会の一部になっていることを実感します。 しかしどうでしょうか、やはり大学街というのは人生の通過点に過ぎず、いつかは僕もこの街を離れるのです。少なくともあと2年はここにいるのですが、すでにその後自分がどこへ行くべきかを模索し始めています。ブルーミントンは小さな街です。はっきり言ってもうこれから新しいことを発見したりすることはないでしょう。 人は常に安定を求めるものです。一つの街に定住し、一つの仕事を続け、一つの家族を守る、それが「良い人生」の代名詞のように僕は感じるのですが、どうもその最初のヤツだけは自分には合いません。僕は新しい街に初めて降り立った時、そして最初の数ヶ月を手探りで生活するあの感じがたまらなく好きです。もう自分の中ではブルーミントンという街を出る準備は整っています。来月を丸々パリで過ごすという機会は僕にとって次のステップへと進む第一歩となることは間違いないようです。
by Alfred_61
| 2005-06-23 15:07
| 日記
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