芸術においてエクスタシーを感じない芸術家は、そんな仕事すぐにやめるべきだと思います。いつか、どこかの指揮者が「エクスタシーを知らない指揮者はヴァーグナーを振るな」と言っていたのを思い出しますが、僕は正直言ってエクスタシーを知らない演奏家は楽器を演奏するべきではないと思うし、そういう作曲家は曲を書くべきではないと思います。 今、実はかなり興奮しています。初演を明日に控えた僕のピアノ協奏曲Piano Suiteが想像以上に良い出来に仕上がっているのです。もともと、不特定の人間が演奏するために書かれた曲は、結構やっつけ仕事で音符だけ弾かれて音楽として表現されにくいという問題があるのですが、今回はそういう状況で書かれた曲にもかかわらず、参加してくれた15人の演奏家全員から最高の演奏をして貰っています。それも、誰にも「仕事料はこれだけです」と一言も言っていないのに。もしかしたら無償になるかもしれないのに。 もちろん、これだけの演奏をして貰って何もしないなんて、作曲者として我慢できません。すでに14本(ソリストには別の物を用意してある)のワインを買ってあり、明日の演奏会が終わったらそれぞれに持って帰って貰おうと思っています。こういうときはお金を渡すよりも物を渡す方が心が伝わります。(実は作曲科の決まりで学校内の演奏家にお金を渡してはいけないことになっています。)もちろん、演奏後には近くの"音楽科生行きつけバー"に来たい人を全員誘って、そこでの勘定は僕が持つつもりですが。 明日は今年一番の夜になりそうです。ドキドキして今晩眠れるかが心配です。明日は早朝から学校中にフライヤーを貼りに行く予定です。演奏会以外にも、もしかしたらオルガンのマスタークラス(公開講義)で一曲弾かないといけないかもしれませんが、もう今僕の頭の中はそれどころじゃありません。夜中にテラスで踊って、目の前にある消防署のおっちゃん方をビックリさせないように気を付けないと。
by Alfred_61
| 2005-10-18 12:56
| 日記
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