こんなインディアナ州の片田舎でも、年に一回秋学期の最初の週末にブルーミントン市のダウンタウンで地域を車両立ち入り禁止にしての大規模なアートフェスティヴァルが開かれます。僕の住んでいるアパートはその開催地の真横で、実際今も往来する人々や音楽隊の演奏、聴衆の拍手などが聞こえてきます。 今日は割と気分も良く、一週間経ってやっと自分の時間もたっぷり取れる日だったのでここぞとばかりに家でボーッと休んでいますが、アートフェスティヴァルの喧噪はある意味その自分の気分を余計に落ち込ませるような響きに聞こえるのです。せっかく天気はとても良く、気温も軽い長袖のシャツを着ていれば十分という素晴らしい状態なのですが、どうにも気持ちは前向きになれません。 ここ数日はこんな内容の記事ばかり書いていますが、考えようによればそれほど辛い状況ではないのですが、何故か今の環境を辛く苦しいモノであるようなプレッシャーを感じてしまいます。アメリカに来て、今まで気力と若さに任せてがむしゃらにやってきましたが、もしかしたらそろそろ僕も歩く道をはっきり自分のために変えていくべき時期なのかもしれません。人生には辛くても充実していて幸せなものと、満たされ充実しているはずなのに辛くしか感じられないものと二種類あります。僕の今の生活は明らかにその後者です。あと一年の辛抱だと友人のみんなは言います。けれども、辛いモノは辛いわけで、時間が経つのが異様に遅く感じられます。 社会、具体的に言えば周りの学生達は充実した時間を満喫し、恋人たちと戯れ、この学校この環境から離れたくないという人も沢山います。けれども、僕は今すぐにでもここを出ていきたくて仕方がありません。音楽史のリサーチプロジェクトで僕はどうやらTomas Luis de Victoriaについて書くことになりそうですが、彼がローマでの華々しい地位や権力を放棄してスペインの片田舎に帰って作曲に励んだのは、もしかしたら今僕が感じていることと同じなのかもしれません。もしくは、モーツァルトがザルツブルクに飽きてしまい、地位も仕事も捨ててウィーンへ行ったのも、もしかしたら同じなのかもしれません。僕は、とにかくこの一年が終われば、ここインディアナを離れ、大都市へと出ます。もちろん年を取るのは嫌ですが、これほどまでに一年を早く過ぎて欲しいと切に願ったのは、もしかしたら生まれて初めてかもしれません。
by Alfred_61
| 2006-09-04 03:36
| 日記
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