あ~、もうこのプリンター遅いな。確かにオーケストラスコア50ページの印刷ですから多少時間はかかるでしょうけどねえ・・・やっぱり帰ったら良いプリンター買おう。さて、とあるお世話になっている人が、僕のバンドの企画やサウンド制作、作曲での理想や普段の活動なんかを話したら「お前は本当に日本人気質の強いヤツだ」と言っていました。基本的に僕のように音楽を生業にしようと努力している人は、そういうものでなくてはいけないんじゃないかなと僕は思うのですけどね。 その人の言う"日本人気質"とはまあ大したリターンも見込めない小さなプロジェクトでも全力で取り組んで自分が損をしてでも良い作品を残したいと努力する気質のことなんですけどね。確かに僕は今までも一つ一つ書いてきた曲に手を抜いたことも飾り付けすぎたこともありませんし、もっと細かいことで言うとひょんなことで同じバスに乗り合わせた程度のきっかけでもその人と良い関係を築く努力をしてきました。例え全く関係のない、所謂自分にとってはその人に好かれるか好かれないかが直接的にプロモーションやお金にならない人でさえも、絶対に無下には扱わずにその人に全力で美味しい料理を食べて貰うというか、そういうノリはたしかに今となっては僕には当たり前のことになりました。 このプリントアウトが終わったらスコアを製本所に持っていって良質の紙に拡大コピーしてちゃんと製本しに行きます。この曲は僕が5年間アカデミアで学んできたことの総まとめとして、個人的な理由で書いた曲で、目先にこの曲が演奏される予定などは全くありません。下手をすれば、一度も演奏されることはないかもしれません。でも、だからといって僕は別に手を抜いたりしませんし、温めてあったアイデアを惜しげもなくつぎ込みました。結局20分弱の曲になったので、溜めてあったアイデアはかなり沢山この曲に使いました。 考え方によったら、これからのバンドの曲にそのアイデアを使った方が効率も良いし、実際に自分の実績として社会に発表される機会も増えるので良いんじゃないかと言われることもあるかもしれませんが、僕は少なくとも音楽に関してそういう生き方はしたくないのです。例え誰の耳にも届かなくても、僕はその曲を命をかけて書きます。 作曲においてはまあ当たり前なんじゃないでしょうか。"このヴェニューだからこの程度で良い"なんてそんな作曲家は本当に鬱陶しいので人の耳に届くところにそういう音楽を出さないで欲しいと思います。でも、別に作曲に限らなくても普段の生き方でも僕はこういう生き方を実践しています。でも、手を抜かないということは常に一定の緊張が躰には負担としてかかっていて、おかげで結構頻繁に病気になりますし、数年前には一生残るような躰の壊し方をしたこともあります。けれども、僕は日本人なんだなと実感するだけで、それこそそんな気質を変えることなんていくらがんばっても出来ないんですよね。アメリカ人になりたくても日本人は日本人であることと同じですね。 僕はこれから自分が作ってプロモートしていく企画でも、どんなサイズの物でもきっちり最後まで全力で自分が満足できる物を作りたいですし、そこで妥協することは絶対にしません。言葉で言うのは簡単ですが実際色んな問題を僕にもたらしてきたこの生き方ですが、それはある意味では一番根底にある僕自身をプロモートするポイントなのかもしれません。
by Alfred_61
| 2007-04-20 07:43
| 日記
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