そういえば昨日ギターを直していて思ったのですが、別にギターを直すのはそれがないとギターパートの作曲が出来ないから・・・ではないのです。基本的に僕は作曲をするときにキーボードの類はおろか音の出る楽器は全く使いません。 良く作曲はピアノの前でする、なんて言う作曲家っています。結構有名なクラッシックの作曲家になれば、もう99%位の確率でピアノの前で作曲をします。そりゃあピアノの前で一体何をするかにもよりますが、やっぱり楽器を触りながら作曲をするって、つまりは即興の発展型という作曲方法なんですよね。僕の感覚では、そういう書き方をしている限りは指の届かない音とか、それぞれの楽器の特性を超える曲は絶対に書けないと思います。 たとえばピアノを使う人だったら、ピアノのキーすべてに共通しているエンヴェロップ(アタック・サステイン・リリースによって表現される、所謂"音型")を超えられないんですよね。だから、書いている音符が、すべてアタック重視の構成になっていて、サステインを駆使した効果や、リリースの極端に少ない楽器の個性などを生かすことが出来ないんですね。 ちなみに、ここで言っているのはオルガンの例です。オルガンのエンヴェロップにはアタックが全くなく、サステインが自由に操作でき(というかやろうと思えば永遠にサステイン出来る)、そしてリリースはフランスやイタリアの大聖堂なら10秒以上あったりしますが楽器そのもののリリースは全くありません。つまり、オルガンという楽器ではどこで音楽を作るかというと、実はリリースポイントを操作することでなんですね。でもピアノはアタックの操作で作るんです。オルガンもピアノも鍵盤楽器ですが、楽器としての性質はほとんど真逆なんです。 僕が5年間オルガンを勉強して学んだことは、楽器を使わずに自分の感覚を出来るだけ自由にすることが、結果的に自分の個性を100%表現することになることです。まあ、敢えて何を使って作曲するかというと、僕の場合は自分の声でしょうか。でも声で表現できないときはやっぱり譜面に書いて、それから電子音やそれぞれの楽器で音にします。だから、書き上がった曲やフレーズを音にするための道具が僕にとっての楽器で、楽器は作曲の道具では決してないのです。
by Alfred_61
| 2007-05-23 19:01
| 日記
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