今日は一日中泊まりがけで家に来ているIとフィラデルフィアから来た映画のサントラ制作依頼のテーマ曲を録音しました。僕がヴァイオリンを弾き、Iがスティールギターを弾くというこれまた無茶な組み合わせで企画した曲なのですが、何とか天気のマシな今日の内に一つのものは録り終えることが出来ました。 僕は基本作曲家で専門楽器は過去5年間音楽大学でオルガンをやっていました。Iはずっと昔からのエレキベース奏者で普段はギターは弾きません。そんな二人が素人同然の楽器を持って挑んだ今回の録音ですが、とりあえず一つでも形になって良かったと思います。もちろんフィラデルフィアからもっと制作費が出ていればプロの演奏家にお願いするところなのですが、あまりにもハナクソのようなお金しか出してくれなかったので結局自主制作という形になりました。 でも、音楽ってホント、究極的には技術云々よりも心の方がよっぽど大事なんですね。注意して聴くと音程が微妙にずれる僕のヴァイオリンも、コードが微妙に響かないIのギターも、実際できあがった音を聞いているとこれが妙に中毒性があるんですよ。最初は「ん?」と思うのですが、一度聴き終えると何故かもう一度聴きたくなる。不思議なものです。 正直を言うと、僕たち、今回魂だけは誰にも負けないほど込めました。30分が2時間に感じられるほど集中してそれぞれの楽器を弾きました。Tシャツが脂汗でじめっとしながらも二人で約3時間ほどの録音セッションをやり終えました。もちろん技術的に言えば脱アマチュア程度の僕たちですが、今日一日で込めた気持ちのせいか、曲の要所要所がやけに耳につくというか、イメージを連想させるというか、何度聞いてもこれが全く嫌みがないのです。 完璧な音作りで完璧な音程で完璧なリズムで録音された製品が現代の音楽界では当たり前と思われていますが、それでは絶対に表現できないものも、実は存在するのです。完璧でないから完璧なもの、という表現をすると余計に分かりづらいかもしれませんが、そういうものが音楽には沢山含まれているということを、今日は実際自分たちが演奏した音の録音を聴いて実感しました。現代の一回聴いただけで人を虜にするような音楽とはまた違った方向から、実は中毒性のある何度聞いても新鮮で綺麗なものが作れるのかもしれません。今日の録音はその可能性の一端を見るには十分すぎるものになりました。
by Alfred_61
| 2008-05-02 02:45
| 日記
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