お金を持っていないと不安になるのって、そりゃあ最近僕が不健康なせいもありますが、不思議にあるんですよね。お金に対してどれだけ持っていても十分だと感じないのは、多分自分の状態が良くないからなんですね。逆に、僕は自分の状態が良ければ、別に大したお金を持っていなくても色々と前向きに生きられるんですけどね。 儲かるとか儲からないとかは、基本的に僕の今の状況ではあんまり大した問題ではないんですよね、考えてみると。自分一人で食べていく程度なら大した金額はそもそも必要ではありません。将来的なことを考えても、別に特にお金が必要な予定もないので、ぶっちゃけて言ってしまえば僕は自分のプライドや理想を捨てて自分の人生を切り売りしてお金を儲ける理由があんまりないんですよ。 グアム島の密林で20年以上隠れてサヴァイバルをしていた横田さんという日本兵がいましたが、あの人なんて下手に日本に帰ってきて苦労したんじゃないかと思うのです。だって密林で生活していたときは別に社会のことなんて気にしなくて良かったし、お金を儲けなくてはならない理由もなかったんですから。その分自分が食べていくために自然と共存していかなければいけませんでしたが、横田さんにとっては20年以上生活してなじんだ環境がそれなんですから、逆に近代化した日本社会にいきなり放り出されることの方がある意味残酷だったんじゃないかと、僕はそう思うのです。 社会には社会のシステムがあって、戦国時代に武芸が出来なければ生きていくことさえ出来なかったように、今の時代には勉強が出来て社会に順応できなければ生活していくことは出来ません。その結果多くのホームレスがこの近代日本にはいて、言ってしまえば社会において横田さんが密林でしていたようなサヴァイバル生活をしているのです。社会がその人達をそういう世界に追いやって差別して卑下していることは事実なワケで、だからといってその人達が人としてダメだとか間違っているとか言う権利は社会にはないと思います。 世捨て人、という言葉があります。僕はこの言葉が非常に近いものに感じられるのです。僕は確かに社会のシステムに従って今は生活をしています。でも、その裏で自分の心は社会というものをかなり嫌っていて、出来ることならば極力関わりたくないと感じていることは否定できません。しかしそれはきっとスタイル的にはロックやパンクの世界であって、社会で生きていて同じように心の奥で感じている人たちへ訴えかけていくようなのが、きっと僕という人間を表現するには一番近いと思います。反骨精神というか、泥臭さというか、はみ出しものというか、結局僕は生まれたときからそういう風に育ってきました。 結果としてお金がもし発生するなら拒むつもりはないけれど、決してお金は自分の目標ではないのです。それをそもそも理解してくれるのは音楽でも僕と同じように根性からハードコアでロックな連中だけで、所詮自分の音楽活動も地べたをはいずり回るものではあっても人の上に立つものではないと思っています。つまり、僕の活動は上層部には認めることが出来ないけれど地べたの活動からあまりにも沢山の人に支持されるオタク文化みたいなもので、上からぱっと見つけられてぱっと認められるものだとは最初から思っていません。 お金がなくても、具体的に何の利益もなくても、それでも自分の理想と目標をしっかり持って、どれだけ時間がかかろうとそれを続けていくこと、それが自分にとっては一番あるべき姿だと思います。必要最低限のお金があれば、後は工夫とアイデア次第でなんとでもなります。生きるということの楽しみ方はお金がなくても誰にも認められなくてもいくらでもあるわけで、僕はそういう日陰や路地裏という世界を生きていくのがどうにも性に合っています。
by Alfred_61
| 2008-05-24 01:43
| 日記
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