長崎県にある軍艦島なんかは廃墟ですが、かつては世界で最も人口の密集した、言わば人の生活の密集地だったわけです。旧イギリス領香港の九龍城なんかは治外法権の無法地帯として特殊な意味を持ち、特殊な人々が住んでいた特殊な空間でした。この辺の例を見ていると、僕には人間が住まいと称して作り出す特別な空間が感じられます。 アメリカにいたとき、僕は基本的に中西部に長くいたので民家といえば広大な敷地に余裕を持って建てられた大きな家を指し、圧迫感どころか空間をもてあましているような印象が強いです。方や日本のマンション暮らしの若い親子なんてもう足の踏み場もないほど家をぐちゃぐちゃにしていたりしますよね。まあ、一人暮らしの日本人女性の家でもそういう"汚さ"は感じたことがありましたが、何よりああいう汚い日本の住まいの最悪なところはあの匂いでしょう。とにかく汚い住まいすべてに共通しているのは常に鼻が曲がりそうになるような異臭がそこにはたちこめているということです。 僕は確かに部屋は汚しますが、同時に何週間かに一回は家具を全部どけての大掃除をしないと気が済まないタイプでもあります。アメリカで一人暮らしをしていた頃なんて、僕の部屋があまりにも"独身大学生男子の一人暮らし"というイメージから離れていたので「お前、本当にちゃんと生活してるのか?」とか友達に心配されるほどでした。 僕にとって住まいとは半分アトリエでもありますので、あんまり自分の気分が悪くなるような雰囲気は作りません。逆に、幻想的な空間をわざわざ趣向を凝らして作るので、結構友達の間では僕の部屋というのは人気があったりします。別に遊びに行きたい場所という意味ではなく、自分もこういう部屋に住みたいと思えるそうです。 その人の性格はその人の住まいに行ってトイレを見ればすぐに分かる、と言いますが、僕はその人の住まいに行っただけでかなりその人の性格が分かります。いくら突然の来客のために部屋を掃除したって限度というものがあり、普段からしていなければ気がつかない所なんて住まいの空間には沢山あるのですから。例えば僕が上で書いた"匂い"なんて明らかです。こんなもの、部屋の壁や家具やカーテンに染み付いているもので、ちょっとやそっと空気清浄機を回したり換気したところですぐに消えるものではありません。それに気づきもしないで表面的に綺麗を装って取り繕う人なんて、僕はそういう一面を見たらそれからは付き合い方を変えますよ。 女性の場合は化粧の仕方であったり、男性の場合は自己主張であったり、どちらにも言えるのは住まいのことだったり、そういうところで不誠実に生きている人は基本的に僕は仲良くなりたいとは思いません。他人が気づかなければ何をしても良いと思っている人なんてもう最悪です。路上駐車とか公共の場のことなら一目瞭然ですが、住まいなんかでもそれは誰が見ても明らかなことなのに、なかなかそれをみんな気がつかないというか。
by Alfred_61
| 2008-06-20 01:20
| 日記
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