最近思うことの一つに、規則的なリズムへの違和感、があります。巷で流れている音楽って、凄くビートとかリズム構成が規則的で規律がとれていて安定していて、それが僕にはどうにも不自然に思えて仕方がないのです。 だって、自然って歪なものでしょう。例えば、美味しい野菜が必ずしも見た目的に整っているとは限らないワケで、多少見た目が悪くても味は絶品の野菜もあるんですよね。確かに日本のスーパーとかで歪な形をしたニンジンとかジャガイモとかを見つける方が難しいこの現代ですが、実際ニンジンなんて作ってみたらあんな綺麗な形になるはずないんですよね。ジャガイモも、大きいのも小さいのも出来るのが当たり前で、あんなにどれも大きさが揃っているのは不自然以外の何物でもないんですよ。 リズムもそう。粒の揃ったリズムって、どうにも不自然なんですよ。それこそ機械の陰が見え隠れし、意図的に操作されているのがわかるんですよね。本当は、早くなったり遅くなったり不安定に伸び縮みするのがリズムというもので、現代巷に流れている音楽のような整ったものじゃなくて、聞いていると気になって仕方がないくらい変化に富んでいるリズム構成の曲があってもいいんじゃないかと僕は思うのです。 まあ実際、僕が作っている曲というのは、見る先生が見たら一目瞭然なそうですが、リズム構成がかなり特殊だそうです。それは、複雑な構成になっているという意味ではなくて、拍の伸び縮みが譜面で見ても弾いてみても上手く解釈できないそうです。そう、どこで伸ばせばいいのか、どこで走ればいいのか、そういうリズム構成が多面的な構成になっている為・・・というかどういう解釈をしてもそれぞれが成り立ってしまう作られ方をしている為、演奏する側に相当な判断力と創造力を要求するんだそうです。 違う言い方をすれば、僕が作る音楽のすべては"歪な野菜"的リズム構成を持ち、それぞれがとても美味ではあってもあまりにも無骨なのです。だから僕の音楽は機械では再現できず、人間が演奏して初めて魂を持つものがほとんどなんです。今、プロジェクトとしては2つの曲のレコーディングがありますが、それぞれがかなりこの"歪な野菜"的リズムを内包していて、録音を作る行為そのものが結構大変なのです。でも、その不安定で自然的なリズム感が録音で上手く表現できれば、それはかけがえのない僕の財産となるでしょう。
by Alfred_61
| 2008-10-25 21:18
| 日記
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