何というか、社会においても個人的な場面でも他人に対してこれだけは誇れて、他人に対して何か見返りを望めるほど出来ること、つまりは自分の"専門分野"ってのを、誰でも一つは持っていると僕は思うのです。ただ、いくら才能があっても能力があっても、技を磨くことを怠ったらすぐに腕はさび付きますけどね。 僕はと言うと、専門は"音楽を作る"ことです。基本的に"音楽を作る"ことに関しては経験も技術も、一般人がいくら弱くても相撲取りには絶対に叶わないのと同じようなもので、僕は普通の人のレベルとは桁違いな能力を持っています。僕が実際に音を書いていく瞬間を見た人なら、どうしてそんなに簡単に音楽が作れるの?と口を揃えて言うのです。 でも、それは僕にとっては"日本語が喋れる"と同じくらい当たり前の能力なのです。例えば日本人にとって"日本語を喋れる"ということは当たり前の専門分野ですよね。世の中には沢山言語があるけれど、日本語だけは絶対に喋れる、というのは紛れもない能力なのです。面白いことに、例え日本人であっても、英語ばっかり喋っていると日本語を喋る能力がさび付いていくんですよ。これは僕は実際に経験したことがあるのですよ。 毎日日本語を喋る、ということはまあこの国に住んでいれば社会的にも強制されることですが、それを日常的にしていることで日本語は年を取ってもその技術が衰えたりしないんですね。それがつまりは"専門分野"というもので、それが言語とかではなくてもっとユニークなものを、きっと誰しもが持っていると僕は思っているんです。 一つ大事なことは、世の中で仕事をしている社会人がみんな生計を立てている仕事=専門分野と生きているわけではない、ということです。だって"専門分野"と言えばお金にならない技術とかありますからね。今の時代ならプログラミングが出来る、とかコンサルティングができる、とかって社会から需要が大きくありますが、一昔前であったり、10年後であったらまた全然状況もその能力の社会的価値も違うのです。 僕の場合は、能力は"音楽"。見事にお金にならないタイプの能力ですが、幸か不幸か社会的にはかなり尊敬されたり注目される能力です。特に僕はそれを作るのが専門ですから、上手くいけば金の卵を産む鶏のように、次の作品次の作品とずっと楽しみに僕の活動を待ってくれる人が出来るかも知れません。まあ、今のところは特に僕の音楽のファンってのはあんまりいないようですけどね。でも僕の能力の価値があるとかないとかいうことではありませんしね。僕は作り続けるのが人生だと思うし、専門分野って死ぬまで自分のアイデンティティになるものだと思うので、とにかく続けるしかないでしょう。成功するかどうかなんて本当に下らない絵に描いた餅です。もっと大事なのは自分のこと。自分が自分の専門をどう感じ、どう使うかです。
by Alfred_61
| 2008-11-30 23:45
| 日記
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