なんだか最近バンドを取り扱ったアニメや漫画が増えているような気がして仕方がないのです。デトロイトメタルシティは思い通りにならない社会への鬱積した不満をデスメタルで発散させる青年の話だし、けいおん!はレディースバンドで、学校の軽音部の和気藹々とした雰囲気や、バンドはそんなに堅く考えずに気軽にやれる楽しみだと主張していますし、その他にも各雑誌ではバンドを取り扱った新連載が増えています。 もちろん作品としてどの人も真面目に作っているわけですが、それを積極的に宣伝したりメディア展開したりすることを決めているのはやはりメディア界の上層部であって、そこには何らかの意図があることが多いのです。今回のバンドの盛り上げには、まず第一に音楽業界からのプッシュがあったからだと考えられます。 今の音楽業界は、CDセールスだけでは最早ビジネスが成り立たず、つまりは今までのようにアイドル的にテレビに出演し後ろで鳴らしているCDに合わせて弾いている真似をしていれば良かったような人材というのは最早必要ではないのです。CDで売れないということは、やはりショーとしてライヴで観客動員数を確保できるだけのカリスマ性や卓越した演奏技術にステージパフォーマンスが求められるのです。バブル期のミュージシャンでもないのにミュージシャン面していられた時代は終わり、今は本当に才能も技術もなければやっていけないのです。 そのためにも、やはりバンドなどの競技人口自体を増やさなければいけないわけです。今のJリーグ選手の大半が漫画キャプテン翼の影響を受けていることが周知の事実ですが、そういった方法で漫画やアニメの影響力を借りて"ああなりたい"と憧れを抱かせ希望を持たせて十代前半の人々にどんどん音楽をやって貰わなければ実際に"使える"ミュージシャンがなかなか生まれてこないのです。 つまり、バンドを取り扱っている漫画アニメがこれだけ増えてきている背景には次世代の音楽家を育成しようとするメディア界上層部の陰謀があるのです。さて、僕たちミュージシャンはどうすればいいかというと、出来るだけそういう流行の暗略とは違うオリジナルなことをしていかなければいけないのです。例えば僕のバンドみたいに、クラシックの演奏家を積極的にゲストとして参加させてそれによってロックやポップスなどジャンルの壁をぶち破ろうとする、とか。 この間書いたレイジ、レッチリ、プライマスなんてアメリカのバンドはもう10年以上、下手をすれば20年前の音楽です。結局あれもこれからの時代を作っていくために参考にはなってもそれをそのまま真似たところで結局古めかしくなってしまうのです。これからの時代は自分の信じた自分にしか作れないオリジナルをやっていくしかないのです。既存のジャンルをパッチワークにするとか、音楽自体はそうでもないのに映像で派手にノリノリ感を演出したりとか、そういうのはもうダメですよね、どう転んでも。結局僕たちは僕たちらしく、そして次世代の連中に見本とされるようなカリスマ性を培っていかなければいけないのです。
by Alfred_61
| 2009-06-06 23:55
| 日記
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