パンケーキ一つ作るときにでも、生地そのものに多少なりと下味を付けるものです。市販のホットケーキミックスなんてかなりの味が付いているので焼いたらそのまま何もつけずに食べれますよね。あそこまでとはいかなくても、料理には下味というものがあります。そして、面白いことにこれは音楽にも存在するのです。 でもまあ、音楽における下味というものは何がどうなれば効果的かというとそれぞれの状況によって変わってくるので、ここに関しては理論化とか様式化することは出来ないと僕は思います。例えば一般的オーケストラ曲のヴィオラパートだったり、第三クラリネットだったりと色々あるわけです。それも作曲方法によって全然意味が変わってくるので何とも言えません。 ただ、例えばロックバンドならばドラム、ギター、ベースのどの楽器も、もっと言えばヴォーカルでさえも曲の下味部分を演奏することが出来るのです。僕が作るロックバンドの曲はそういう風に、普通はリードとしてメインメロディーしか歌わないはずのパートが下味に回ったりするように作られています。僕にとってバンドの4パートというのは一人が目立って後はバッキング、というものでは決してないのです。 しかしまあ、僕が言う下味というのは別にベースのようなことを言うのではありません。例えば、実は一曲通して分析してみるとすべてのギターのコードにDの音が入っている、とすると、その音はきちんとしたコードの下味として機能しているのです。Dが入っていようがなかろうが曲はほとんど同じ響きをしますが、一度全然関係のないスケールで出来た曲のすべてのコードにDを足して演奏してみると分かります。そういう下味の付け方ですべての味がまろやかになったりきつくなったりほんわかしたり緊張したりするのです。 下味の付け方はまさに作曲家それぞれのセンスに関わってくる部分です。そもそも下味を付ける、という技術さえも知らずの一つのアイデアのみを必死に展開して裏返して引き延ばして曲にしているようなのを見るとどうも稚拙に思えるのです。下味の付け方・・・まあもし僕の所に書きかけの曲を持ってやってくる人がいたら教えてあげることは出来るでしょうが、基本的にそういうことは自分でやって欲しいものです。
by Alfred_61
| 2009-06-21 23:55
| 日記
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