初めて造語で歌詞を書いたのですが、なんだか歌というものに対する理解がまた一つ深まった気がします。人の言葉というのは基本として5つの母音(a e i o u)とそれを飾る子音によって構成されています。子音は舌を使ったり息を吐き出したり唇の動きで作ります。後は、つまり何の次に何が来るかで人の耳にそれがおもしろおかしく聞こえたり、凄く悲しく聞こえたり、真面目で頑固に聞こえたりするわけです。それってまるで音楽ですよね。 それと音程やリズムが組み合わさって歌というものが出来上がります。ただ、歌と口語の違いは、どうしても口語で使われる発音には音韻上特殊で、あまり美しいとは言えないものが含まれるんですね。ドイツ語のachtの発音やフランス語のrなんかがそうです。中国語にもpの子音が面白く聞こえることがありますし、日本語の口語なんて語尾がいつも気持ち悪く僕には感じられます。意味を重視する口語表現なら全然問題ないですが、音を重視する音楽では避けたくなるんですよ。 まあ言語的に音楽と相性が良いのはイタリア語やラテン語なのですが、僕たち日本人にとってはどちらの言葉もなじみが薄いですし、ましてや僕ではない日本人に自分の歌を歌わせるのにラテン語なんかを使うのはかなり気が引けます。しかし、僕が先日書いた"Robert G. Maxwellの描いた夢の世界"という曲は言葉の意味を聞かせる歌ではなく、もっと音韻を重視した音楽としての歌なのです。意味が分からないけれども音韻が美しいと感じる感覚は残しつつ、自分の自由に時間軸上で流れる音韻の構成をコントロールする、となれば造語詞になるのです。 先ずは母音の構成を考えます。aの次に何が来るか、音の動きとリズムを組み合わせた上で考えるのです。ただ"最初はグー"的な発想で同じ母音を繰り返すことを不快に感じたり、理性的に避けたりするのははっきり言って人間らしい対応であってそれは"自然"ではありません。自然界には同じ母音の繰り返しなんていくらでもあります。ただ、それが綺麗に聞こえる旋律やリズムであるかを考えるのが僕たち作曲家の仕事なのです。 今回書いた造語詞はこんな感じです。メロディーと組み合わさらないと意味を持たないものですが、参考までに。 tu so, ka la mn mi, fo to lu lin ka wash mi, tu ka e, ta hyu la tzo qui ju lu, gi su ma hin kan noh e sa ye ga lu na su bi li tom mu lu, qui shi man ta naiu ha o, ko lush ta a quan ta nu sa qua la e, qua la en to, ko shi ti la e jyu hyu lu wa, so to lo mi ke na syu fi li o tu pa mi le, na qu fi li e en nau ma gu fa, sa tu ma mi le en fa to e, ka fa syu gah me a in to le a, u wa le a syu ki ta lu, so wa a lu ma ta qu li e la o sa gi yo no oh mn, fu i quo so n na yu me no, se ka i text: Mutsuhito Ogino
by Alfred_61
| 2010-02-28 16:10
| 日記
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