人は完全な自由を与えられると自分が何をすればいいのか、何をしたいのかよく分からずに足場を失います。それはとても"普通の"ことであって、恥じることも卑屈になる必要もありません。そもそも、社会はそういう人々に易しい構造をしてるじゃないですか。学校に行って就職して結婚して不動産を購入して、ときちんと"ここを歩けば間違いない"というレールがあるじゃないですか。その通り生きて何が悪いでしょう。それは十分尊敬すべき生き方だと僕は思います。 一方僕自身は逆に手放しで自由を与えられるといくらでも自分が何をしたいかが湯水のように湧いてくるタイプなので、実際に芸術家をしています。規制に従って生きることは易しいということは十分に僕も理解しています。けれども、僕はどうしてもそこに自分の充実や満足感を見いだせないのです。それなら、社会的には存在しない概念や方法で人生を組み立てる生き方のほうが僕にとっては自分がより自分らしくあれると実感できるのです。 ただ、もちろん人と違うことを考えたり言ったり実行したりすることは常に何らかの不安を持っています。レールの上を歩く生き方なら、こう歩けばきっとここへ辿り着ける、という道筋がある程度事前に分かるのでそりゃあ安定しますよね。でも、実は自然界に目を向けてみると、こうすればこうなるというものはあんまりなく、そこには偶然やチャンスが必ず関係しています。だから大丈夫だと思ってやったことで自分に致命的なことが起こったりもしますし、逆に何の気なしに踏み出した一歩で楽園のような発見があるかもしれないのです。 僕にとっては、人生とは元々そういう不安定で自由なものです。自分が何をしても良いし、それが間違っているか正しいかは他人に決められるべきことではないと思っています。けれども、それと同時に自分が選んだ自由には常に一歩先にもしかしたら終焉へ繋がる谷があるかもしれないという不安を認め、抱えています。 こういう曲を書けば売れる、とかこういう曲ならハズレない、とか今流行っているからこういう曲がベター、という考え方はそもそも僕の頭にはありません。自由に生きる分、良いことも悪いことも沢山あります。でも、それこそ人生。なんか、そういう方が安定した生き方よりもワクワクしていいんですよね、個人的に。
by Alfred_61
| 2010-05-20 23:55
| 日記
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