僕は大学生としてアメリカに5年間住んでいました。住んでいたのは学校があった小さな大学町、インディアナ州ブルーミントン市でした。ま~あ色々なことがありました。その諸々を自伝として書いているのですが、最近多忙でなかなか手が回りませんので書き進めれていません。 あれほど憧れたアメリカ、それが実際に蓋を開けてみればこんなものかと思ったことは今でも忘れられません。日本の方が優れている部分も当然あります。ただ、日本とアメリカは国が違い、文化が違う、ただそれだけのことだったと心底気づいた頃には、僕はどうしてももう一度日本に帰って自分の母国のことをもっと知りたくなりました。 日本に帰ってきて良かったことは沢山あります。やっぱり食事は美味しいし食材も豊富、さらには国土がその規模の割に各所に名所があり、結構簡単に素晴らしい旅行ができる、まあ言い始めるときりはありません。でも、日本という国に帰ってきて3年、今も一番強く感じているのは社会のシステムに対するどうしても我慢の出来ない不満です。この国にいると、確かに反骨精神は養えます。でも、あんまりここに長くいると、自分が自分であることを否定されるような無言のプレッシャーを感じ、いつしか自分が自分らしくあれなくなっていきます。 アメリカはその点自由でした。社会から受けるプレッシャーなんてこれっぽっちもありませんでした。自分はやりたいことをやりたいだけやれば良かったんです。極端な例を言うと英語で自分の思いを表現するときには、日本の社会でマナーとされているような下らないしきたりはなく、ありのままの自分を表現できましたし、それがアメリカでは当たり前でした。アメリカで書いた曲はどれも最も自分の内部の深いところから出てきていた音楽で、正直なところ今あの頃のように書くということは出来ないと思います。国が変われば気分も変わります。逆にアメリカにいた頃には今僕が日本で書いているような曲は書けなかったと思います。 どんな国にもどんな文化にも良いところと悪いところが必ずあります。僕個人で考えると、僕は単純に一つの国に飽きてきたら次の国に行きたくなるんです。今現在進行形で進めているプロジェクトは恐らく僕が今日本で出来る最高の企画だと思います。きっとこれが出来上がる頃にはもっと大きいことが出来るようになっているとは思いますが、本音を言うと、次はもう一度アメリカに行きたい。カリフォルニアにいるあのバカミュージシャンとアトランタのバカ兄貴と僕の三人で、自分たちが最高だと胸を張って言える音楽を作りたい。もしそのプロジェクトをやる為に色んなものを失うことになっても、それでも僕は音楽がしたい。3年間かけて磨いてきた日本人である自分をひっさげて、もう一度アメリカに挑戦したい。 成功するかどうかなんてどうでもいいんです。とにかくみんなで朝から晩まで音楽やって、来月どうやって飯食っていこうか~なんて街角のバーでダベりながら、その限りある一時に人生を賭けたいんです。僕は芸術家ですけど、ミュージシャンですから。根本的にバカなんでしょうね。
by Alfred_61
| 2010-09-02 23:55
| 日記
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