人生は不思議なもので、上り詰めた先には必ずと言っていいほど必ず下り坂があるんですよね。上ることや頂上にいるときの栄光にしがみついてプライドを捨てきれない人は、下り坂を下ることを認められずにおかしな方向へ行ってしまったりします。 友達のお祖父さんがフレッド・アステアなんですが、その関係で氏のことを多少なりと聞きました。フレッド・アステアは第一次世界大戦後の軍需から好景気の渦中にあったアメリカで発展した、一作品に相当な予算や人員をかけて作り出すミュージカル映画の全盛期に、ダンスの名手として活躍しました。しかし第二次世界大戦と共に恐慌がやってきて、彼が自分のプロフェッションとしていたミュージカル映画の制作は斜陽へと向かいます。 スポーツ選手なんかでは顕著ですが、年齢と共に体力には全盛期がありそこから落ちていくものです。芸能人の人気やなんかも基本的にはどこかで頂点を迎えそこから落ちていきます。盛者必衰という言葉がまさにぴったりです。 上り詰めたら下らなければいけないんですよ。そりゃあ確かに世界チャンピオンになれた人は頂点に立ったわけで社会的にも賞賛されます。でも、本当に個人的な感覚ですが、デビューからほんの2、3年で世界チャンピオンになってしまう人よりも、デビューしてから20年くらい勝ったり負けたりしながら上を目指して頑張って、ギリギリチャンピオンベルトに挑戦して届かなかった人の方が、なんだか充実感があったり満足感があるような気がするんですよね。 もっと言えば、死ぬまで勉強し続けて上を目指して努力を続けて、そのまま"上へ向かう"という道の途中で人生を終えることって、実は凄く幸せなことなんじゃないかと思うんですよ。本当に個人的な感覚ですが。若くして成功してしまうことって、なんだか一番美味しいところを食べ損ねている感じがするんですよね。本当に美味しいのは"達成する"ことではなくてそこへ向かう道程だと僕は思うのです。 例え体力が下り坂になろうとも、心が上へと進むことは出来ます。心が下へ向かってしまえば。いくら体力があろうが人生はどうしようもなく面白くないでしょう。例え足腰が弱ってきても、心は上へ向かうことが出来ます。どこまで行っても、僕は"たどり着いた"とは思いたくありません。というか、僕には明確な到達目標がありません。僕はただ単純に"上へ向かっている"だけです。僕はそれを死ぬまで止めるつもりはありません。
by Alfred_61
| 2010-10-14 23:55
| 日記
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