SOUND GATE ZEROの楽曲作成は4曲程度を平行して作っています。7曲全体の流れや構成はある程度スケッチし終えているのですが、まだ自分の中で納得し切れていない部分があります。何よりも、今回このプロジェクトそのものに向かう動機やテーマとして自分が考えている"原点回帰"に、具体的な感覚がしっかりとはまっていないのです。 そのため、ここ数日は実際に音符を書くのではなく、色々と頭の中で考えています。例えば、昔自分が心から感じていた不条理や、自分以外のすべての人が信じていた"当然"に対する不満などをまずは思い出しています。 そんな中で一つどうしても昔から、今でもそうなのですが気に入らないのが、"音が重なっている(規模が大きい)ほど曲としては価値が高い"というものです。どうして1分程度のピアノ独奏曲が74分ある交響曲に劣ると言い切れるのでしょうか。どうしてほんの一曲の短い歌曲が3時間を超えるオペラに劣ると言い切れるのでしょうか。 複雑であればあるほどベターだ、なんてただの錯覚でしかないと僕は思います。単純であるが故の深みというものは必ずあると僕は信じています。でもこれは、あの頃感じていたこの感覚は、実は自分自身に対して思っていた戒めや思いこみの打破をゴールとしていたのだと思うのです。複雑さに傾倒することが良いか悪いかを僕個人が決めることは出来ませんが、ただ単に僕自身がそれを自分の世界において"間違っている"と感じたかったのだと思います。 複雑さに傾倒した頃の反動として僕はいくつかとてつもなく単純な曲を書いています。実際、アカデミアを出てからの僕の音楽はその複雑さに特殊な意味を持っていることを除けば、少なくともリスナーにとってそこまで難解で納得するのに時間がかかる音楽は書いてこなかったつもりです。 だからこれから、いや今自分がどんな曲を書くのか、そこにはまだ到ってはいないのですけどね。そうは言いつつも何となく自分のコントロールを逸脱したところで音符はボロボロと脳みその中からこぼれてくるのです。それはそれでメモとしてスケッチしながら、今回書きたい大きな物語の外輪を見いだす為に、まだ自分が元来た場所を振り返ってはまた一歩ずつ前に進んでいます。
by Alfred_61
| 2011-09-05 23:55
| 日記
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