そもそも、SOUND GATE ONEというプロジェクトは僕個人のアカデミックな音楽や音楽界に対する非常に強い反抗心が形になったものでした。音楽という意味では非常にリスナーを選ぶ性質があるものですが、しかしありがたいことにそれなりに多くの人々に聞いていただいています。 僕の音楽人生はここに何度も書いてきましたが、挑戦と裏切りによる挫折の連続でした。一世一代のチャンスを恩義のあるはずの大学に握りつぶされたこともありました。権威ある客員教授に将来の道へ障害になる扱いをされたこともありました。一緒に頑張ろうと心を一つにしていたつもりだったコラボ相手にはことごとく裏切られてきました。SOUND GATE ONEもジョンの助けなしには絶対に実現しませんでした。 自分の能力があることが分かっていてもそれを発揮しようとするとまるで社会に見えない壁があるようにことごとく何らかの僕にはどうしようもない理由でプロジェクトは中止になってきました。作曲家としてはつくづく運のない人生です。いくら曲を作っても、実際に音として現世に生み出されること(演奏されること)がそもそもほとんどなかったのですから。 やっとヴァイオリンで自己表現が出来るようになってきて、やっと僕は作曲家である自分を報いる1つの方法を手に入れました。それで書き上げた曲がViolin Suite No.2、無伴奏ヴァイオリンソロの60分を超える曲です。誰からの助けも運もない僕がようやく手に入れた音楽の形なのです。 そして、ジョンがSOUND GATE ZEROというプロジェクトを立案し、僕はその曲作りを続けています。ただ、Violin Suite No.2を書いた後の僕はもうそれまでの僕とは作曲家として違う性質になっていました。人のためになるように、自分を犠牲にして報われない努力を続けてきた自分は正直なところもう僕の中にはいないのかもしれません。僕がSOUND GATE ZEROでやりたいことはただ一つ、自分を作曲家としてさらなる高みへ押し上げる音楽です。 はっきり言って僕は作曲のプロセス上で今回相当にもがいてあがいています。Piece 1、2、7と書いてきてそろそろ4が仕上がります。率直にジョンには言いました。僕はPiece 1と2は全くもって作曲家として納得できていないから、消してしまいたい、と。Piece 7に関しては、光明が見え始めた曲だと自分でも思うのでまだ微妙ですが、これから出来ていく曲の内容次第ではこれも破り捨てます。Piece 4はやっと頭の中でぐるぐるしていたものが花を咲かせ始めた曲なので、これは少なくともきちんとした形にしてやりたいです。 既にPiece 8のアイデアは出ていますが、じゃあPiece 3、5、6の3曲はどこへ行った?となります。そう、それぞれ半分くらいまで書いてそこでピタっと止まっているのです。納得いかないから。それだけですね。まあ間違いなくこの3曲は破り捨てます。正直なところ、こんなに曲を書いては消し書いては消しするのは僕の作曲人生で初めてのことです。だから、曲がそもそも最後まで行くのが少ないんですね。ジョンからするとまだかまだかとイライラするでしょうが、今日ようやく詳しく説明をしました。納得して貰えるかは分かりませんが。 さらなる高みへ、どうやっていけばいいのか、はっきり言って分かりません。僕には曲を書くことしか出来ません。その中で僕の目指す物へ届けばいいのですが、どうなるかなんて僕には分かりません。けれども、納得いくまで僕はSOUND GATE ZEROというプロジェクトを諦めるつもりはありません。明日もいつも通り五線譜を持ち歩き、ほんの5分の休憩時間でも、出来ることをやります。目指す高みへ向かうために。
by Alfred_61
| 2012-03-20 23:55
| 日記
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