僕はどうしても大学時代の友人と学生時代のように連絡を取り合ったりバカな話をしたりすることが出来ません。あの世界は学校であり、組織の中に同じ立場でいた仲間達でしたが、その世界自体を卒業して自分の世界を歩いている今となっては、当時の交友関係はどれもあまりにも今の自分からかけ離れていて、何というか会話さえ成立するのか分からないくらい距離を感じるのです。 正直に告白すると、僕は大学時代は自分が本当に好きなものややりたいことをすべて押し殺して勉強していました。クラシックの作曲を学ぶことは自分の理想でも何でもなかったですし、それは僕にとってただの通過点でしか最初からなかったのです。学校にいる間は、自分の趣味趣向は完全に他人には見せず、ただひたすらどんなに自分が軽蔑するような人間からでも"何か"を学び取って自分の人生の肥やしにしようと、ただそれだけを毎日繰り返していました。 僕のいた作曲科には尊敬できる先生はたった1人しかいませんでした。音楽科全体を見渡しても、片手で数えられるほどの演奏科教授の演奏にしか心底感動したことはありませんでした。こんな大学の教授でもこの程度の演奏なのか、こんなに偉くても本当の音楽の部分がこんなに少ししか表現できないのか、いつも演奏会を聞きにいってはそう感じていました。 他人から学ぶことは大学を卒業して社会人になろうと決めたときに一度終わりにしています。僕はそれ以降、自分の内側に自分にしか感じることの出来ない世界や理解することの出来ない答えを探してきました。それは今でも続いていますし、これはきっと僕が死ぬまで続くことだと思っています。 ただ、自分の内側を見始めてから、あの頃の友人達やそもそもあの頃の自分というものをとても遠く感じるようになったのです。唯一大学時代からの知り合いで今まさに同じように自分たちの音楽を模索しているジョン以外は、みんな恐らく今僕がしていることも理解できないでしょうし、今更話をしたところであの頃のように切磋琢磨出来る関係にはきっともうなることは出来ないでしょう。 みんなきっとそれぞれの人生を精一杯生きていると思いますし、ただそれらが僕の人生と交わることはもうないと、心の奥で確信している部分があるのです。僕はなんだかんだで今になって自分が本当にしたいことや好きなこと、嫌いなことをジョンと音楽について語り合うことが出来ています。もう修行の時代は遙か昔。今は前を向いて進むためにも彼らとは二度と関わらないように、と考えています。・・・まあ、来る者拒まず、というスタイルは変えませんが。
by Alfred_61
| 2012-08-07 23:55
| 日記
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