昨日は僕の師匠Sven-David Sandströmのマスタークラス(公開講義)があり、昨クリスマスに初演されたての先生の新作、"クリスマスオラトリオ"についての講義を聴きました。普通はクリスマスっぽいモノを想像しますが、これはなかなか深い感情のこもった荘厳な美しい音楽でした。先生にしては珍しくフォルテ以上のダイナミクスがほとんどなく、全体的にかなり静かで鋭いフォーカスの名作だと思いました。 まあ、その後はいつもの通り音楽科生行きつけのバー"Bears"でサンドストロムクラスの生徒が全員集まって飲んで話してしたわけですが、今回は偶然僕の友人で最近50歳になったばかりの作曲家が同席していました。そこで僕の将来の展望や、何をしていくべきなのかを順を追ってじっくり話すことが出来ました。 そりゃあ当面の第一ステップは良い学校の院に行くことで、理想はジュリアード音楽院に行ってJohn Coriglianoに習うことです。彼はかの映画『レッド・ヴァイオリン』の音楽を書いた人です。僕の友人は彼に何度か会って話をしたり曲を見せたりしたそうで、その何かを超越した音楽への意識が僕にはぴったりだと言いました。まあ、そうそう入れる学校ではないのでそんなに期待していませんが。 でも、それよりも大都市に行って何をするのかをしっかりプラン立てしておくべきだと、そういう話になりました。僕たちの世代はいろいろな意味で転換期にあり、アカデミズムの頭打ちやポップ音楽の腐敗、ジャズの限界など色々と問題だらけです。それは今までに積み上げられてきた権威がもはや権威で無くなってきていることを意味し、今までのように大きなモノに媚びて巻かれていけば上手くいく時代ではなくなったということなのです。 すでにそれを敏感に察知した若手音楽家が、全く新しいモノを一から作るという作業を始めています。近代音楽のみを演奏する不規則アンサンブルの登場(Bang on a Can All-Stars, Eighth Blackbird他)、ルイ・アンドリーセンのように非クラッシック楽器の積極的な導入、言い出せばキリがありません。つまり、僕も古い大きなモノに頼るよりも、新しいモノを自分らしく作っていくことの方が成功へは近いということです。もちろん、苦労だらけでしょうし、そうすれば成功するという保証なんて微塵もありません。でも軌道に乗りさえすればそれほど楽しい苦労もないと想像します。 せっかく僕は妙な楽器(オルガン、エレキベース)を演奏できるので、そういうことをこれから生かせるようになればと思います。まずは新しい街の状況を知り、機をうかがって新しいことを始めるのが、これから僕がするべきことだと思います。
by Alfred_61
| 2006-01-21 00:46
| 日記
|
ファン申請 |
||