今日は外に出た瞬間、口から出る息が白くなっていることに気づきました。ほんの数週間、ブルーミントンは秋晴れで非常に美しい紅葉が見れる、素晴らしい季節でした。きっと体調が回復に向かったのも季節のおかげがあると思います。けれどもそれももう終わりで、これからは長い暗い冬になります。僕は寒いより暑い方が好きな人間ですので、これからの時期は健康管理に余計に気を配らなければいけなくなってきます。元々低血圧なので。 もう僕の卒業演奏会まで一ヶ月を切りました。今日は初めてプログラムの一つ"天使の歌"というオルガンとソプラノの為の連作歌曲のリハーサルを聴いてきました。これは今から考えると二年ほど前の曲になるので、自分の中では昔の曲になるのですが、実は演奏されるのを実際に聴くのは今日が初めてだったのです。何よりも最初に感じたのは、やっぱりこうやって曲を書いて誰かに演奏して貰うことこそ僕が本当にやりたいことで、自分が生きるということに最も強く作用する助けなのだということでした。 僕はアメリカに来てからあまり歌を書いてこなかったのですが、その中でこの曲は20分もの長さの連作歌曲で、2週間くらいで一気に書き上げた若い力に溢れた曲です。これを書いたころは本当に悩みもなく、時間もたっぷりあって充実していました。今になってしまえば一日の活動時間の98%位を勉強に取られ、作曲をするどころか自分の生活をすることも出来ないような状況で、何とも昔を振り返って感慨深くなってしまう日でした。 でも、とうとう2年も経ってこの曲が全曲歌われ、そしてプロの手で録音されることになりました。思い返してみると、この曲は苦しみに思い悩む人を救済するべく、聖書の文言にのせて書かれたものでした。あの頃は自分が幸せな状態にあって、その視点から苦しみにある人を助けようと必死に曲を書きました。今、自分が苦しむ立場になってこの曲が僕の目の前で歌われるというのは、何か不思議な縁のようなものを感じます。 演奏会で自分で書いておいて曲を聴いて泣いたりしないように気をつけないといけませんね。不思議なもので、もしかしたら僕は今まで沢山曲を書いてきたのは、もしかしたらいずれ苦しみや悲しみに生きることになる自分を救い、昇華させるためだったんじゃないかと思うことがあります。卒業演奏会のプログラムにはかなり同じような誰かをポジティヴにさせる曲があるので、結果的に自分を救うことになるのかもしれません。まあ、それでも少なくとも一人救うことになるのですから、僕の目標はある意味達成されるのかもしれません。
by Alfred_61
| 2006-10-13 09:12
| 日記
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