今、三週間だけの期間限定で僕の師匠Sven-David Sandström先生がブルーミントンにいます。今日は半年ぶりのマスタークラス(公開講義)を聞き、その後は伝統通り学校の近くにあるバーBearsで音楽の裏話や表話をたっぷりしました。その後は僕が先生を自宅まで車で送り、その途中も含めて色々と話を聞いて貰いました。 そもそも、公開講義のポイントからしてこんなインスパイアリングなんですよ。「私は今まで250曲書いてきた。それだけ書いてくるともう新しいことを求めていかなければネタがなくなってくる。で、今回はABBAなんかをスウェーデン語で歌っている歌謡歌手をソロに使って、オーケストラをバックにした曲が初演された。普段クラッシックなんて聴かない聴衆が沢山きて、演奏会後にはみんな笑顔で帰って行った。私は少しでも聴衆の心の窓を開けたと思う。こうでなくではならないなんて音楽には存在しない。売れるにはこうしなければいけないなんて言うことは馬鹿げている。人々に新しい可能性があるということを示すことが、今回は出来たと感じる。」 実際先生の曲は、近代クラッシックとセリーヌ・ディオンを掛け合わせたような曲でした。場面によればクラッシックファンが熱狂しそうにもなり、一方違う場面ではタイタニックかと思うようなまるでミュージカルの一場面のようにもなり、変幻自在でした。なんだか最近クラッシックか商業音楽かと悩んでいた自分の頭を思いっきりトンカチで殴られた気がしました。 「この曲のあと、もう一人男のポップシンガーを使ってミュージカルを書いてくれと依頼が来たんだ。やってやろうと思う。私はミュージカル音楽の作曲家には出来ないことが出来る。今までに誰も聞いたことがないミュージカルで、芸術性の高いキャッチーな作品でまた聴衆に新しい世界を見せてやろうと思う。問題は、それが"良く"書けているか、それだけなのだ。それが今まで聞いたことがあるものであるかどうかではない。」と先生は言いました。 おいおいおいおい、これって、僕がしたいこと?僕に出来ることじゃない?先生は正統派の道で僕が一番やりたいことをしているんです。こりゃあ悩んでる場合じゃないでしょう。もっと沢山書いて先生を目指さないと。これは売れる音楽を書く力とは違うものですが、僕たちが新しい世界を開いていかないと音楽界も複合芸術界も腐っていくだけじゃないですか。自分を変えるんじゃなくて、自分が社会を変えていかなければいけないのではないでしょうか。サンドストロム先生は本当に僕の師匠です。これだけ影響を受けた作曲家は他にいません。今年は休みをとっておられて僕は別の先生についているのですが、もし今年も師匠と勉強できていたらもっと悩まず前を向いて進めていたのかもしれません。
by Alfred_61
| 2006-10-27 11:31
| 日記
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