一体誰のために音楽は存在するのでしょうか?作曲家の為でしょうか?それとも社会のすべての人の為にでしょうか?どちらでもあり得るし、どちらでもない場合もあると僕は思います。音楽はとても相対的な物。僕には僕の思う音楽があり、僕が思う人の為に僕の音楽は存在します。 不特定多数の為に曲を書くというのは個人的に馬鹿げていると思います。音楽という物は、大多数が否定してもそれを愛してくれるたった一人の為に創られる物だと思います。そう、それはまるで人の人生そのもののように。例え社会で否定されても、自分を愛し、待っていてくれる人の為に毎日を生きる。それは結構悪くない人生だと思います。 つい先日、作曲科の上級試験という卒業に必要なテストを受けました。作曲なんかでそんなテストがあり得るのかと何人にも言われましたが、あるのですねこれが。テストの内容は一週末を使用して与えられた課題の曲を作曲し、譜面を清書して提出するという物でした。僕が与えられた課題は、弦楽器2つ、吹奏楽器2つ、マレットを使用する打楽器1つによるクインテット(五重奏)曲で、時間は3~4分、フォームは「ゆっくり始まり速く終わる」でした。 久しぶりにこういう状況で一気に曲を書かないといけない状況だったので、どうせなら自分の一番書きたい物を純粋に書いてみようと思いました。結果、出来たのは僕がこの世界で一番大切に思うある一人の為の短い手紙のような曲になりました。不思議な物で、今までのようにある程度沢山の人の為に書いている時より、たった一人のために書いたその曲は妙な満足感がありました。 その曲はたった一人の為に書いた物。その曲の成功とは、いつか僕の思うその人に聞いて貰う事。社会で成功して賞を取ることや、演奏会をすることはその曲にとって何の意味もありません。ただ、ただ僕の想いが遠い彼方にいるその人に届きますように。
by Alfred_61
| 2005-02-14 10:07
| 日記
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