なんか英単語ネタばっかりですねぇ最近。ま、いいか。いつもはネガティヴですが、今回は多少ポジティヴ方向の話です。人生には、ある時、それまで真っ直ぐに段階を追って進んできた人生がカクッとその方向を変えて、自分の価値観や人生観ががらりと変わってしまうポイントがあります。音楽では大スターになるきっかけを大抵そのポイントだと言うのですが、それを僕たちはTipping Pointと言います。(緩やかに方向を変えるのではなくて、点で角度を変えるからこう言う。) 音楽学校なんかに行っていたら、同じように入学してきて同じスタートラインから始めたはずの同級生の中で、在学中にTipping Pointを迎えてもうどんどん先に進んでいき、気がつくと気軽に話さえ出来ないような有名人になってしまう人もいるのです。そこまで大げさな例だけでなくても、僕の場合作曲の仲間が大きな賞を取って突然一曲ン千万円の依頼を毎月受けたりするようになるのを、すぐ側で見てきました。 特に作曲の場合は、その人より自分の音楽が劣っているという実感が全く湧かず、どうしてそいつだけそんなに成功できるんだろうと、不条理にしか感じられませんでしたし、もちろん腑が煮えくりかえるほど悔しかったです。まあ、でもそういう人間が周りで何人も出てくるとあ~またかという程度で、毎回腹を立てたりすることはなくなったのですけどね。そういう競争心みたいなのから自由になりたくて大学院に行かなかったのも、実は理由としてあるんですよ。 いやしかし、続けていればいつか誰にでも大なり小なりTipping Pointは訪れると言います。ホンマかいなと思いますが、事実周りの連中はみんなそういう時を通っています。それが結婚、出産であったりもしますし、逆に恋人との別れや恩師の死だったりもします。きっかけは何でも良いのかもしれません。ただ、その人がその時から変わる、というポイントってあるもんだなと思います。 「お前にもいつか来るぞ。そう遠くない未来にな。」とか言われるんですよ、僕は。そう、僕は今までTipping Pointらしきものを経験したことがありません。音楽家として人生が変わってしまうような一瞬が、これから僕に訪れると周囲は言うのです。別に身構えていたからどうということにもならないのですけどね。ただ、そこで方向の変わった人生がさらに上に向かうか下降していくかは注意しておけとは言われます。 そう、方向が変わるだけで、実際そこから音楽家として下降する人生を歩む人が、もう大半なのです。例えば、その作曲科の旧友のように突然大金を積まれて「これで曲書いて」と言われて、実際彼女はプレッシャーばかり感じて身動き取れなくなっていました。今彼女がどうしているのか全く知りませんが、本音を言うときっとプレッシャーに負けて良い作品を作れなくなり、仕事からもあぶれてしまっているのではないかと推測します。 その他には子供が生まれた為に作品も演奏も"挑戦"というよりも"無難"になってしまうケースも多々あります。つまり、音楽よりも子供の方が大切になってしまうのです。それまでは音楽のための自分の人生だったのに、子供のための音楽になってしまうのです。子供のためには危ない端を渡ることは出来ず、大成功はしなくても安定するスタイルを選んでしまうのですね。音楽的には"勿体ない"のですが、それがその人の幸せならばそれで良いのでしょう。何も成功することだけが人の幸せではありませんからね。 僕にもこれからそういう時が来るのかな☆なんてぼけ~~~~~っと構えています。いや、実は、アメリカの大学にいた頃は今すぐにでもTipping Pointが来ないかと願い続けてヤキモキし続けてきたのです。でも、社会人になってプロの道を歩き始めて、なんだかどうでも良くなったというのが本音です。どうせ成功したらしたで満たされない自分に変わりはないのですからね。もっと先を目指したいとは思いますが、さあ、僕は一体どういう道を選ぶんでしょうね。というか、本当に周りが言うみたいに僕にTipping Pointなんて来るんでしょうか。別に来なくてもい~かな~とか思ってるんですけどね。なんかどうでもいいです。はい。
by Alfred_61
| 2008-03-20 18:17
| 日記
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