どん欲なまでに上を目指すのなら、出来るだけ自分よりも社会的立場が上の人に出会う機会が多い場所に住み、小さな機会でも大切にしてその人達に取り入り、所謂コネを作り上げていかなければいけません。社会で権力を持っている人が認めてくれないことには、いくら自分に本当の実力があったとしてもそれが社会の第一線で認められ活躍させて貰えることはあり得ないのです。 そんな成功という名の華やかな世界を、僕はいつも少し離れたところから見ています。華やかな世界で成功を勝ち取ることを理想とする数多の人たちがその目標に向かって進んでいるのを、遠くから蟻の行列を見るように僕は見ています。彼らには彼らの理想があり、それは僕の達からは尊敬こそすれ否定する部分は特にありません。けれども、世間一般、つまり世の中の99%が信じている社会での成功というものを、僕は自分の音楽の成功とは思っていません。 華やかな世界に行きたいのなら、東京へ出て、沢山の友人を作り、少しでも上の人間と繋がりのある人と出会って、その繋がりをたぐり寄せて権力者に取り入り、自分の作品や才能を売り込めばいいのです。でも、本当にそうやって、偉い人たちに認められるために曲を書いて、お金を払って録音を作り、それを恥もプライドも捨てて"ass-kisser"となって世間に売り込んで貰えるように頼み込む、というのは本当に音楽に必要なことなのでしょうか?それをしなければ音楽は成功したとは言えないのでしょうか。 華やかな世界は、僕にとっては本当はとても住み心地の悪い、ストレスしかたまらないような世界なのです。僕は、大成功して一曲ン千万の作曲依頼を受けても、世界的に有名な企画に参加するようになっても、もしそういう生活をずっと続けるなら自分で自分の頭を銃で撃ち抜いて死んだ方がマシだと感じます。そういう華やかな世界に生きる自分を、僕は絶対に憎くなるでしょう。そして知らない間に、僕はきっと自分が最初にやりたかった理想というものを、完全に忘れてしまうのでしょう。それはつまり、僕という個人の死と同意義なのです。 僕は、泥臭い世界に生きる方がどうもしっくりきます。ろくにお金も儲からず、世間的にはまさに駄目の権化のような生活をして、それでも自分がやりたい音楽をやり通す、それはよっぽど華やかな世界で成功を勝ち取ることよりも意味のある人生なのではないかと僕は思うのです。自分より偉い人が自分より優れているとは限りません。でも、自分より下にいるアマチュア連中には光るものを持っている奴らが沢山います。僕は、上に媚びるよりも下の連中を助けて、結果的に自分の音楽を広げていく、という生き方が好きです。一般人、音楽をあまり聴かない人、別にまともに音楽を勉強したわけでもないアマチュア、そういう人たちこそ僕は大切にしますし、そういう人たちには僕は積極的にアプローチをかけます。いずれ遠くない未来に、そういう社会的には駄目な、けれども本物を追究する音楽家達を集め、大阪に音楽ギルドを作るのが、僕の一つの夢であります。
by Alfred_61
| 2008-05-28 00:58
| 日記
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